頭頸部扁平上皮癌における壊死性リンパ節転移の診断に造影超音波検査が有用かどうかについて画像検査として現在最も信頼できると思われる造影CTと比較して検討した。 17例の頭頸部扁平上皮癌患者に対し術前検査として造影超音波検査と造影CTを行い、頸部リンパ節内の壊死を評価する際の画質、診断能を検討した。頸部リンパ節評価において、造影超音波検査の画質は良好で、内部壊死の診断能は感度93%、特異度95%、陽性的中率87%、陰性的中率97%、正診率94%と良好で、造影CT(感度93%、特異度92%、陽性的中率81%、陰性的中率97%、正診率92%)と比して同等であった。 造影超音波検査に使用する造影剤の副作用の発現率は極めて低く、ベッドサイドで繰り返し実施可能であることから、CT用造影剤(ヨード造影剤)にアレルギーのある患者や、造影CTで評価が困難な場合に役立つと考えられる。 このほか術後経過観察中に、通常の超音波検査で転移の可能性が疑わしい症例において、造影超音波検査を行うことで病理診断を行うかどうかを判断するのに役立つ可能性がある。さらには組織・病変内の血流の有無を明瞭に描出可能であり、壊死傾向の強い腫瘍性病変に対する生検において、病理診断に不適当な壊死領域を避けて、生検を行うことで確実な診断に寄与することができると考えられる。
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