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2013 年度 実施状況報告書

甲状腺癌幹細胞をターゲットとした放射線感受性関連遺伝子スクリーニング

研究課題

研究課題/領域番号 25861110
研究種目

若手研究(B)

研究機関長崎大学

研究代表者

松瀬 美智子  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (30533905)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード甲状腺 / 癌幹細胞
研究概要

スフィアを形成することがわかっている甲状腺癌細胞株FROをスフィアアッセイ用の低接着表面加工された96穴プレートに播種し、siRNAライブラリーを用いて遺伝子ノックダウンを行い、コントロールsiRNAを導入したwellのスフィア数・径と比較することでスフィア形成能の検討を行った。
通常、スフィア形成能の検討は直径100 μm以上の大きさのスフィアを顕微鏡下でカウントすることで行ってきたが、我々は多数のターゲットに対するスクリーニングを、スフィア形成能・細胞増殖能の両方に対応させるため、ThermoのArrayScan VTI HCS Reader(96-wellフォーマットの自動セルイメージャー)を用いて、今回のアッセイ用に新しくマクロファイルを開発し、スフィアの定量をより簡便に行うことを可能にした。
よりスフィア形成能特異的な分子を同定するため、スフィアアッセイに加えて通常の単層培養を用いた細胞毒性試験も平行して行った。通常の単層培養ではあまり細胞増殖抑制効果が見られないが、癌幹細胞の指標とされるスフィア形成能を高度に抑制するsiRNAは、それだけ癌幹細胞の機能に特異的な役割を持つものと考えられる。これまでに714のキナーゼ遺伝子に対するスクリーニングを行い、いくつかの候補遺伝子が、スフィア形成、おそらくは癌幹細胞の維持に重要な役割を果たしている可能性を示唆するデータが得られている。
以上、本年度における研究により、高精度で効率的な実験基盤が整い、予備的なデータも取得することができた。また、明らかに癌幹細胞に特異的なシグナル伝達の存在が認められ、通常の癌細胞との違いを明らかにする上でも重要な知見となることが予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高精度で効率的な実験基盤が整い、予備的なデータも取得することができたためおおむね予定通り進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

基本的には、当初の予定通り研究を進める方針である。
引き続き放射線照射を組み合わせたスクリーニングを行う予定である。
他の甲状腺癌細胞株を用いた検証も行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

スクリーニングに時間を要したため、予定していた数のsiRNAのスクリーニングを全て行うことができなかった。
引き続きスクリーニングのための物品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Thyrotropin signaling confers more aggressive features with higher genomic instability on BRAF(V600E)-induced thyroid tumors in a mouse model.2014

    • 著者名/発表者名
      Orim F, Bychkov A, Shimamura M, Nakashima M, Ito M, Matsuse M, Kurashige T, Suzuki K, Saenko V, Nagayama Y, Yamashita S, Mitsutake N.
    • 雑誌名

      Thyroid

      巻: 24(3) ページ: 502-10

    • DOI

      10.1089/thy.2013.0038.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Frequent somatic TERT promoter mutations in thyroid cancer: higher prevalence in advanced forms of the disease.2013

    • 著者名/発表者名
      Landa I, Ganly I, Chan TA, Mitsutake N, Matsuse M, Ibrahimpasic T, Ghossein RA, Fagin JA.
    • 雑誌名

      J Clin Endocrinol Metab.

      巻: 98(9) ページ: E1562-6

    • DOI

      10.1210/jc.2013-2383.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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