本研究の目的は治療計画CTに基づいた人体模擬ファントムを作成し、人体内における線量分布検証の手法を確立することである。腫瘍形状や体型を再現するため、3Dプリンタを利用した手法でオーダーメイドのファントムを作成し、線量分布測定を通して製作精度と人体内の再現精度を検証した。 人体模擬ファントムは3Dプリンタで造形した石膏による骨模型、及びゼラチンを利用して作成した。治療計画に対する線量分布の比較では体内の空気領域で一致しない部分が見受けられたが、全体としてのγ解析3mm/3%におけるパスレートは95.4%となり、本手法により作成した人体模擬ファントムが人体構造を高い精度で再現できることが示された。
|