研究課題/領域番号 |
25861122
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
鳴海 新介 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20583644)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 頸動脈狭窄 / MRI |
研究概要 |
頸動脈内膜剥離術が予定された高度頸動脈狭窄を有する36例(男性33名、女性3名、平均年齢69.9歳)に対して、1.5 Tesla MRIを用い、3D-T1WI(TR 500ms、TE 18ms)、2D-T1WI(TR 500ms、TE 12ms)を撮像した。 3D-T1WIによって得られたvolume dataから2D-T1WIと同一の断面を作成し、3Dと2D-T1WIにおいて同側の筋肉に対するプラークの相対信号強度(CR)を計測し、同一断面の病理標本の所見と比較した。病理所見はmodified AHA classificationによって分類した。 modified AHA classificationのI-IIIに分類されたプラークはなく、2例がVII(石灰化)、10例がVIII(線維)、8例がIV-V(脂質)、16例がVI(出血)に分類された。3D-T1WIではVII、VIII、IV-V、VIに分類されたプラークのCRは、それぞれ0.94-0.97、0.95-1.29、1.33-1.54、1.51-2.32であった。また、2D-T1WIでは、それぞれ0.79-1.02、0.88-1.19、1.06-1.46、1.55-2.51であった。IV-Vに分類されたプラークのCRは、3D-T1WIにおいて2D-T1WIより高くなる傾向があった。一方、VIに分類されたプラークのCRは、3D-T1WIにおいて2D-T1WIより低くなる傾向があった。安定プラークと不安定プラークを識別する時の感度、特異度は3D-T1WIの方が良好であった(それぞれ100%)。 3D-T1WIを用いることで、不安定プラークの過小評価を最小限に抑えることが可能であり、頸動脈内膜剥離術や頸動脈ステント術における塞栓性合併症の予測に寄与する可能性があると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ソフトウェアに関係で1.5 Tesla MRIでの検討となった。抗血小板薬、スタチンなどの頸動脈プラークに対する効果に関しては、CEA・CAS適応外の高度頸動脈狭窄をもつ患者のエントリーが少なく、検討ができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
3D-T1WIにおける病理所見との比較についてを論文化し、ことなる成分間でカットオフ値を定める。得られたカットオフ値を用い、カラーマップによるプラーク性状の可視化を試みる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
諸事情により学会へ参加することができなかった。 学会のための旅費やソフトウェアなどの物品購入など。
|