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2013 年度 実施状況報告書

EPIDとモンテカルロシミュレーションを利用した体内線量分布再構成

研究課題

研究課題/領域番号 25861125
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

武居 秀行  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20645452)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射線治療 / X線 / EPID / モンテカルロシミュレーション
研究概要

平成25年度は、Electronic Portal Imaging Device (EPID)の基礎特性の取得、三次元線量分布再構成システムの作成、人体等価ファントムによるシステムの評価を行った。
EPIDの基礎特性とは画素値のエネルギー依存性、直線性、再現性、照射野依存性、線量特性、残像効果、感度特性であり、本研究において最も重要な基本データである。実際の治療装置を用いての実測およびシミュレーションにより基礎特性の取得を行った。
基礎特性のデータをもとに実際の照射環境をモンテカルロシミュレーションで再現し、三次元線量分布再構成システムを作成した。基礎特性を実測したときと同じ条件でモンテカルロシミュレーションのデータ取得を行い再現性の確認を行った。シミュレーションは計算精度を高くすると長い計算時間が必要となるため、計算時間の短縮を目的としてモンテカルロシミュレーション用PCの並列化(計算クラスター構築)を行った。並列化により計算時間がおよそ30分の1に短縮された。臨床現場では線量分布が照射直後に確認できることが求められており、大幅な時間短縮に成功した意義は大きい。
人体等価ファントムによるシステムの評価は、肺等価物質および骨等価物質を水等価物質と組み合わせた不均質ファントムを用いて行った。不均質ファントム内の線量分布をシミュレーションで再構成し、実測値と比較した。実測値は、不均質ファントム内に設置した線量測定用フィルム(GAFCHROMIC EBTシリーズ)で測定した。再構成した線量分布と実測値をガンマ解析で比較し、放射線治療において一般的に一致の基準とされる95%以上の一致度を得た。
基礎特性の取得、三次元線量分布再構成システムの作成、人体等価ファントムによるシステムの評価のそれぞれの段階において国内および海外の学会で成果発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画である人体等価ファントムを用いて線量分布再構成システムの評価を行ったが、臨床応用を考慮に入れ、より人体の構成に近いファントムでの評価が必要である。現在、水等価、肺等価および骨等価ファントムの組み合わせを変えて臨床利用に近い条件のデータを取得している。

今後の研究の推進方策

線量分布再構成システムの臨床応用に向け、様々な条件を人体等価ファントムで再現してデータを取得し、各条件下で起こる固有の問題を発見し対処する。臨床応用を行うにあたっては、計算時間のさらなる短縮が求められる。計算回数の見直しやアルゴリズムの一部変更により計算精度と計算時間の最適化を行い、計算精度を担保しながら計算時間を短縮する。

次年度の研究費の使用計画

25年度作成予定であった人体等価ファントムの一部に設計変更があったため
26年度分の予算と合わせて人体等価ファントムを作成する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Response of electric portal imaging device to energy spectrum of therapeutic photons2014

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Takei, Yusuke Watanabe, Tomonori Isobe, Kenta Takada, Naoyuki Shigematsu, Eisuke Sato, Hidetake Hara, Hiroshi Muraishi, Tomoyuki Hasegawa
    • 学会等名
      Europian Congress of Radiology 2014
    • 発表場所
      Austria Center Vienna
    • 年月日
      20140306-20140310
  • [学会発表] 治療用X線のエネルギーに対するEPIDの応答2013

    • 著者名/発表者名
      武居 秀行、渡邉 祐介、高田 健太、佐藤 英介、浅井 博之、秋田 峻吾、茂松 直之、原 秀剛、村石 浩、長谷川 智之、磯辺 智範
    • 学会等名
      第106回日本医学物理学会学術大会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター
    • 年月日
      20130916-20130918

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公開日: 2015-05-28  

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