研究課題/領域番号 |
25861130
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
小野澤 志郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (10544398)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ドラッグテリバリーシステム / シスプラチン / 肝灌流療法 / VX2担がんウサギ |
研究概要 |
本研究は、手術不能な原発性肝臓がんおよび転移性肝臓がん(以下、肝臓がん)に対する革新的な門脈逆流式閉鎖循環下肝灌流療法の基礎実験であり、本研究の目的は肝腫瘍モデルとしてウサギVX2腫瘍を用いて門脈逆流式閉鎖循環下肝灌流療法を行うことで、当治療法の安全性と腫瘍内薬物動態ならびに治療効果を評価し臨床応用に繋げることにある。 本年度は、ウサギにおける門脈逆流式閉鎖循環下肝灌流療法回路を確立するための実験およびVX2腫瘍モデルの作成を主体に行ってきた。門脈逆流式閉鎖循環下肝灌流療法回路の確立に当たっては、全身麻酔下に非担がんウサギを用いて実験を行った。通常のブタモデルと異なり、ウサギモデルにおける閉鎖循環下肝灌流療法では門脈の経皮的穿刺が不可能であるため、開腹下に門脈のカニュレーションを必要とした。動注はマイクロバルーンを用いて行ったが、カテーテルサイズが大きく、回路の確立に難渋した。現在は回路作成の手技手法の確立の段階である。今後は、当初の目的通り抗がん剤注入速度の検討に移行していく予定である。 また、VX2担がんモデルは当初外部業者への委託購入を考慮していたが、購入費用が高騰してしまったため、自作することとした。自作はウサギを全身麻酔下に小開腹し、肝左葉に業者から購入したVX2担がんウサギから採取した組織片を移植することによって行った。担がんウサギの作成は順調に進行しており、上記の門脈逆流式閉鎖循環下肝灌流療法の至適抗がん剤注入速度の研究へと移行していく段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定と異なり、VX2担がんウサギを自作するに至ったため、当初の計画に比して実験の進捗状況はやや遅れていると考えられる。また、同様に閉鎖循環回路の作成も手技の上達が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
現在はVX2担がんウサギの自作に当たり、手技の上達が得られてきている段階であると考えられる。また、閉鎖循環回路作成手技も上達してきているため、今年度中に当初予定されていた実験を終えることが可能ではないかと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
準備に時間がかかり、実験計画に遅れが生じ、当初予定していた実験をすべて終わらす事ができず、次年度にずれこんだため。又年度をまたいだ形での海外出張があり、その分の支払いが次年度にまわったため。 自作のVX2担がんウサギに閉鎖循環回路を用いた実験を行い。実験で得た成果をまとめ発表する。
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