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2013 年度 実施状況報告書

外部放射線照射との相乗効果に基づくがん治療を目的とした内用放射線治療薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861133
研究種目

若手研究(B)

研究機関神戸薬科大学

研究代表者

萩森 政頼  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40446125)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射線 / がん / がん内用放射線治療薬剤 / NQO1
研究概要

NAD(P)H:quinone oxidoredactase 1 (略称NQO1) はキノン系化合物の二電子還元を行う酵素であり、多くの固形がんに存在している。また、放射線により比較的短時間で誘導されることが明らかとなっている。そこで本研究では、NQO1を標的に、外部放射線治療との相乗効果を狙った治療応用への展開を可能にするがん内用放射線治療薬剤の開発を実施した。
これまでに、NQO1のmechanism-based inhibitorであるES936をベースにした5-methoxy-1,2-dimethyl-3-[(4-iodophenoxy)methyl]indole-4,7-dione (1)が内用放射線治療の新たな標的となることを明らかにしているが、代謝安定性が悪いことが問題であった。代謝はエーテル部位で起こっており、ヨウ素の電子求引性によりp-ヨードフェノールが脱離し易くなっていると考えられる。そこで、電子供与性のメトキシ基を導入することにより脱離を抑えた3-((4-iodo-2-methoxyphenoxy)methyl)-5-methoxy-1,2-dimethyl-1H-indole-4,7-dione (2)を設計した。非標識体はethyl 5-hydroxy-2-methylindole-3-carboxylateを出発原料として、4段階の反応により3-(hydroxymethyl)-5-methoxy-1,2-dimethylindole-4,7-dioneを合成し、続いて4-iodo-2-methoxyphenolを反応させることで、2を総収率25%で合成した。標識前駆体としては、放射性ヨウ素の導入と精製が容易トリブチルスズ体を設計し、2から収率36%で合成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は、研究計画に従い、放射性ヨウ素を導入したNQO1親和性を有するES936誘導体の代謝安定性の向上を図るために、フェニル基上にメトキシ基を導入した非標識体を合成した。また、標識前駆体については、放射性ヨウ素の導入が容易であり、その後の分離精製に有利であると考えられるトリブチルスズ体を合成した。以上のように、代謝安定性の向上が期待される誘導体の合成法を確立できたため。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策
前年度の研究において合成に成功した標識前駆体から放射性ヨウ素標識体を合成し、緩衝液およびマウス血漿中にて経時的に化学形を分析することにより、インビトロでの安定性を評価する。その後、NQO1発現がん細胞での集積性評価、体内動態性の把握等の評価を行い、新たながん内用放射線治療薬剤としての可能性を検証する。メトキシ基を導入した放射性ヨウ素標識体の代謝安定性について向上がみられない場合は、フェニル基上の置換基の検討を行う。
次年度の研究費の使用計画
研究遂行するために主に物品費として、研究試薬、ガラス器具、細胞、動物を計上している。また、学会発表や情報収集のための旅費や論文執筆費などを予定している。

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公開日: 2015-05-28  

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