研究課題
スタチンの放射線性消化管粘膜障害への抑制効果を検証することを目的として、マウスを用いた動物実験を行った。スタチンは、プラバスタチンナトリウムを使用した。マウスに放射線照射の24時間前、4時間前にスタチンを経口投与し、放射線照射を行った。放射線照射後、4時間後と3日後に腸管を摘出し、それぞれ腸管上皮の細胞死、腸管幹細胞の生存を評価した。同様の投薬を行い放射線照射後6時間で肺と摘出し、細胞死を評価した。スタチン投与群で腸管細胞死は有意に減少し、腸管幹細胞の生存率も高く、肺組織でのTUNEL陽性率の低下がみられた。免疫染色を用いた放射線照射後の腸管上皮におけるgammma-H2AX、ATM発現割合は、スタチン投与群において低値であった。ヒト悪性胸膜中皮腫細胞株を使用したマウス腫瘍モデルにおいて、放射線治療へ及ぼす影響の有無を検証した。スタチン投与の有無による腫瘍増大の差異はみられなかった。すなわち、スタチン投与によるDNA保護効果とこれによる放射線防護作用が認められた。活性酸素種除去効果の有無を含めた機序の更なる解明のための追試が必要と考えられる。患者体格による放射線治療の影響について前向き臨床試験を行い、、頭頸部癌患者22例を対象に体格変化による放射線照射精度を検討した。体重変化が非剛体レジストレーション精度と再計画頻度に関連することが示唆された。現在、症例の蓄積を継続して治療精度にもたらす因子を追加検討している。
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Experimental and Therapeutic Medicine
巻: 未定 ページ: 未定
to be assigned
Japanese Journal of Radiology
10.1007/s11604-016-0531-9