プラバスタチン(Pra)の放射線防護効果を検証するため、マウスを用いた動物実験を行った。マウスに放射線照射前にPraを経口投与し、放射線照射を行った。放射線照射後、4時間後と3日後に腸管を摘出し、それぞれ腸管上皮の細胞死、腸管幹細胞の生存を評価した。同様の投薬を行い放射線照射後6時間で肺を摘出し、細胞死を評価した。Pra投与群で腸管細胞死は有意に減少し、腸管幹細胞の生存率も高く、肺組織での細胞死の低下がみられた。放射線照射後の腸管上皮のgammma-H2AX、ATM発現割合は、Pra投与群で低値であった。Pra投与によるDNA保護効果とこれによる放射線防護作用が認められた。
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