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2015 年度 実績報告書

グループ1型の代謝型グルタミン酸受容体のアンバランスはパーキンソン病の病因か?

研究課題

研究課題/領域番号 25861135
研究機関国立研究開発法人放射線医学総合研究所

研究代表者

山崎 友照  国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (80627563)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードPET / パーキンソン病 / α-シヌクレイン / 代謝型グルタミン酸受容体 / mGluR1 / mGluR5 / ドーパミントランスポーター
研究実績の概要

本研究では、神経変性疾患に関連の深い分子であるグループI代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1, mGluR5)に着目し、パーキンソン病のモデル動物における病態進行に伴うこれら受容体の経時的変化をPETを用いて長期間観察した。
昨年度までの研究成果から、パーキンソン病モデルラット(A53T-Tg)は、6~8月齢頃から、明らかな行動障害を示す個体が見られ始め、10月齢には概ね50%が、16月齢でほぼ全個体でパーキンソン病様行動障害を示し、その行動異常の程度に相関して、mGluR1に対するPETプローブの結合量が脳の線条体において低下していくことが明らかとなった。
平成27年度研究では、モデル動物の組織学的評価と生体内で示したmGluR1に対するPETプローブの結合量の変化が、mGluR1発現量の変化を反映しているのかを確かめるためのインビトロ評価を行った。はじめに、ラット脳切片を用いて抗体染色を行ったところ、A53T-Tgラット脳切片で、異常タンパクであるα-シヌクレインの凝集体が確認され、また、黒質緻密部においては、ドーパミン神経の脱落が観察された。続いて、同じく脳切片を用いて、インビトロ条件下におけるPETプローブの結合量をオートラジオグラフィ法によって定量的に測定したところ、PETを用いた実験結果と同様に、A53T-Tgラット線条体において、PETプローブ結合量の有意な減少を示した。
本研究期間全体を通じて、PETによるmGluR1イメージングは、異常タンパクの蓄積が引き起こす脳神経疾患において、その疾患の進行度を客観的に判定することが出来る有用なツールとなり得ることを示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamic changes in striatal mGluR1 but not mGluR5 during pathological progression of Parkinson's Disease in human alpha-synuclein A53T transgenic rats: A multi-PET imaging study2016

    • 著者名/発表者名
      Yamasaki T, Fujinaga M, Kawamura K, Furutsuka K, Nengaki N, Shimoda Y, Shiomi S, Takei M, Hashimoto H, Yui J, Wakizaka H, Hatori A, Xie L, Kumata K, Zhang MR.
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience

      巻: 36 ページ: 375-384

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.2289-15.2016.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] パーキンソン病モデルラットにおけるグループI代謝型グルタミン酸受容体を標的としたPETイメージング2015

    • 著者名/発表者名
      山崎友照、藤永雅之、由井譲二、脇坂秀克、河村和紀、念垣信樹、潮見聡、張明栄
    • 学会等名
      第55回日本核医学会学術総会
    • 発表場所
      ハイアットリージェンシー東京
    • 年月日
      2015-11-05 – 2015-11-07
  • [備考] パーキンソン病の進行に伴い変化する新しいバイオマーカーを発見

    • URL

      http://www.nirs.qst.go.jp/information/press/2016/01_29.shtml

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公開日: 2017-01-06  

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