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2014 年度 実施状況報告書

転移関連分子を標的とした膵臓がんの高感度画像診断法と分子標的内照射治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861140
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

須堯 綾  独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 技術員 (00415415)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード内照射治療 / 膵癌 / EMMPRIN
研究実績の概要

前年度は膵癌由来細胞のEMMPRIN発現量が高いことを確認し、Zr-89標識した抗EMMPRIN抗体で膵癌モデルマウスの皮下移植腫瘍、および同所移植腫瘍をイメージングに成功したため、、EMMPRINによる内照射治療の検討を行った。膵臓がん細胞株(MIA PaCa-2、AsPC-1、BxPC-3、PANC-1)をX線照射し、細胞の生存率を調べ、放射線に高感受性のMIA PaCa-2と抵抗性のBxPC-3を選択した。MIA PaCa-2とBxPC-3の細胞をヌードマウスに皮下移植し、In-111標識した抗EMMPRIN抗体の体内動態分布を解剖法により調べ、経時的(投与後30分、1日、2日、4日、7日)にサンプリングし、採血後に主な臓器と腫瘍を摘出し、重量と放射線量を測定し、RI集積を評価した。In-111標識抗体で推定したY-90標識抗体が腫瘍に与える吸収線量はMIA PaCa-2が8.0 Gy/MBq、BxPC-3が5.2 Gy/MBqと算出された。また外照射治療実験により、0、15、30、60 Gyを照射し、MIA PaCa-2は15 Gy以上で照射2週間後に腫瘍の消失が見られ、再増殖は確認されなかった。BxPC-3は30 Gy以上で増殖抑制効果が見られ、60 Gyで7週目に腫瘍の消失を確認した。この結果からMIA PaCa-2が放射線に高感受性でBxPC-3が抵抗性であることがわかり、細胞の生存率の結果とも一致した。In-111標識抗体の体内動態から求めた吸収線量と外照射治療実験の結果より、Y-90標識抗体による治療で効果のある線量を求めた。今後は、その線量を元にY-90標識抗体の治療実験を行っていく計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

In-111標識抗体による体内動態を行い、次年度に行うY-90標識抗体による治療実験の投与量を算出する等、研究は当初の予定通り順調に進行していると考えられる。

今後の研究の推進方策

In-111標識抗体で推定した吸収線量から算出したY-90標識抗体の適切な投与量を決定し、膵がんモデルマウスに投与し、週2-3回、腫瘍径と体重を測定し、治療効果を評価する。また、治療効果の機構解析として、治療中の腫瘍を経時的に摘出し、腫瘍組織への影響を病理学的に調べる。MMPやVEGFR等の発現や血管新生、アポトーシス等の経時的な変化を腫瘍の免疫染色により解析する。

次年度使用額が生じた理由

実験を効率よく実施できたため。

次年度使用額の使用計画

平成27年度の予算とあわせ、Y-90標識抗EMMPRIN抗体治療実験によるマウスの購入や、治療により生じた関連分子の変化を調べるため、それら遺伝子を検出する抗体等を購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Preclinical evaluation of 89Zr-labeled human antitransferrin receptor monoclonal antibody as a PET probe using a pancreatic cancer mouse model.2015

    • 著者名/発表者名
      Aya Sugyo
    • 雑誌名

      Nuclear medicine communications

      巻: 36 ページ: 286-294

    • DOI

      10.1097/MNM.0000000000000245.

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公開日: 2016-06-01  

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