心臓移植に利用できるドナー臓器を増やすためには、臓器修復法の開発が必要である。本研究では低温下で酸素を利用してエネルギーを作り出すことの功罪を分子生物学的に評価し、新しい概念を提示し得た。その大要は以下に要約される。1) 心筋細胞では低温下で積極的に酸化的リン酸化が促進され、2) そのエネルギー源はオートファジーによって供給される可能性が高い、3) 低温下での酸化的リン酸化は酸化ストレスを増強し、細胞障害がむしろ増強する、4) この酸化ストレスによる細胞死は抗酸化治療によって軽減できる、5) 低温下での酸化的リン酸化、オートファジーを積極的に制御するタンパクが存在する。
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