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2013 年度 実施状況報告書

絹タンパク質sericinを用いた無血清培地によるラット長期膵島培養の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25861151
研究種目

若手研究(B)

研究機関福井大学

研究代表者

森川 充洋  福井大学, 医学部附属病院, 助教 (20569131)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードsericin / 膵島移植 / 膵島培養 / ラット / 無血清培地
研究概要

ラットより分離した膵島20個ずつを以下の5群を添加した培養液(RPMI1640+抗生剤+10mMnicotinamide)で培養した。①10%FBS ②0.1%sericin ③0.1%albumin ④0.1%sericin+0.1%albumin ⑤10%FBS+0.1%sericin。それぞれn=6で生存個数を比較した。全ての群で14日間は膵島が生存していたが、まず②のsericinのみの群は前回実験同様に約1か月の間にすべての膵島が死滅した。③のalbuminのみ加えた群は1か月を過ぎた頃から減少し、2か月半で全て死滅した。①のFBS群と④のsericin+albumin群が最も生存率が高く、4か月の時点でともに25%が生存していた。⑤のFBSとsericinを共に加えた群が最も良好な結果が得られるのではないかと考えていたが、①④よりも低い結果であり4か月の時点での生存率は10%であった。
当初予想していたように、sericinのみ添加した培養は14日以内の短期培養は可能であるが、それ以降の長期培養は不能であった。Albuminのみの培養も長期培養は難しく、sericinを加えることで培養期間の延長が可能となった。4か月の培養に関して、sericinにalbuminを添加することで、FBSと同等の生存率が得られた。120日経過後の膵島の形態を倒立顕微鏡で比較したが、ともに良好な形態を呈していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画にインスリンの分泌量の比較まで初年度に行うように記載したが、現在その実験を進行中であります。膵島の分離に用いていたコラゲナーゼS-1が製造中止(狂牛病の問題)となり、その代用としてコラゲナーゼLを使用しました。ディスパーゼの添加が必要であり、その濃度設定を含めて安定した膵島分離を行うことに時間を要したため、当初の計画より少し進行状況が遅れている状況にあります。現在は安定した膵島分離が可能となり、実験が軌道に乗っております。

今後の研究の推進方策

計画通り、長期培養した膵島を用いてインスリンの分泌量の計測・比較を行い、その後に実際に糖尿病ラットに移植し、血糖降下が得られるか検討します。①と④の比較を重点に考えておりましたが、培養による生存率の比較でその2群が同等で他の群よりも良好な結果が得られました。そのため、今後の研究はその2群の比較で行っていく予定です。また、FBSにsericinを添加した群で、FBSのみ添加した群より生存率が悪かった原因が不明であります。濃度の問題が関与している可能性があり、その原因を検索する予定です。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 膵島分離におけるセリシンの有用性2013

    • 著者名/発表者名
      横井繁周,村上 真,森川充洋,藤本大裕,澤井利次,小練研司,廣野靖夫,五井孝憲,飯田 敦,片山寛次,山口明夫
    • 学会等名
      第25回日本肝胆膵外科学会・学術集会
    • 発表場所
      宇都宮市,ホテル東日本宇都宮
    • 年月日
      20130612-20130614
  • [学会発表] 膵島消化・純化におけるセリシンの有用性2013

    • 著者名/発表者名
      横井繁周,村上 真,森川充洋,藤本大裕,澤井利次,小練研司,廣野靖夫,五井孝憲,飯田 敦,片山寛次,山口明夫
    • 学会等名
      第113回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      福岡市,福岡国際会議場
    • 年月日
      20130411-20130413

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公開日: 2015-05-28  

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