HER2は、乳癌の分子標的治療および免疫学的治療の標的である。HER2を過剰発現する癌腫は、MHC ClassⅠを下方調整 することでT細胞による殺細胞から免疫逃避する。乳癌ではHER2の発現は MHC ClassⅠの発現と逆相関し、さらに、siRNAでHER2の発現を抑制するとMHC ClassⅠの発現は上方調整された。また、乳癌細胞株でMAPKシグナル伝達経路をブロックすると乳癌細胞のMHC ClassⅠの発現は増強することを明らかにした。この結果は、MHC ClassⅠの発現を上方調整することで免疫治療を有効にすることが可能となりtriple negative乳癌の新規治療法となり得る。
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