研究課題/領域番号 |
25861153
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
栗山 直久 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80525329)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | marginal donor graft / 活性化プロテインC / 虚血再環流障害 |
研究概要 |
生体肝移植におけるmarginal donor graft(過小グラフトや脂肪肝グラフト)の適応拡大について活性化プロテインCとノルアドレナリン(noradrenalin : NA)を保存灌流液中に投与し、その効果について検討を行う研究である。 Marginal donor graftを用いた肝移植において障害の最も大きな問題は、いかに肝虚血再灌流障害を克服するかである。よってまず脂肪肝を有するマウスを用いて肝虚血再灌流障害を加えてAPCが脂肪肝に対しても細胞保護効果があるか検討を行なった。 まず3週齢のC57BL/6 miceに60%のhigh-fat dietを9週間投与し、体重が37g以上となったsteatosis miceにコントロール群(生食投与群)とAPC(100ug/kg)群に分け、60分の70%肝虚血再灌流障害を加えて、その後6時間後の肝障害を示すALT値を比べたところ、p=0.27であるが、APC群に肝障害が軽減されている傾向がみられた。また6時間後の肝組織中の免疫染色を行い、好中球数を比較検討したところ、P=0.08であるが、APC群で好中球浸潤が減少傾向であることが示された。以上からAPCは脂肪肝における虚血再灌流障害に対して肝機能障害を軽減し、炎症性細胞浸潤を抑制することが期待出来る事が示唆され、今後投与量、投与方法等についてさらなる検討を行い、脂肪肝を用いた移植実験を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初考えていた脂肪肝モデルの虚血再還流障害における活性化プロテインCの効果が、正常肝モデルほど発揮されにくい状況であり、投与量の調整等が必要であることや、脂肪肝ラットの作成に予想以上に難渋しているこおが原因と考えられます。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪肝ラットを作成し、そのラットから肝右葉のみ(約20%過小グラフト)を摘出し、臓器灌流保存液中に活性化プロテインCとノルアドレナリンを投与し、灌流と冷保存 (4℃) を行い、レシピエントラットにmodified kamada法にてラット肝移植を施行し、細胞保護効果とその機序を検証します。
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