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2013 年度 実施状況報告書

乳癌臨床検体を用いたHER2標的療法効果予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861155
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

重松 英朗  広島大学, 大学病院, 病院助教 (40543707)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードHER2 / breast cancer / predictive factor
研究概要

HER2陽性乳癌に対しては多数のHER2標的治療薬が開発されているが、HER2以外の効果予測因子は確立していない。本研究ではHER2標的療法効果予測因子についての検討を進めた。
我々はProximately ligation assay(PLA)法を用いたHER2およびHER2-2二量体発現解析をすすめ、in vitro研究としてHER2陽性乳癌細胞株(SkBr3, BT474, KPL-4, MDA-MB361, MDA-MB453, HCC1419, HCC1954)およびHER2陰性乳癌細胞株(MCF7, MDA-MB231)を対象とした研究を進めた。①PLA法によりHER2発現を定量化・数値化することが可能であり、HER2陽性細胞株とHER2陰性細胞株を明瞭に区別することが可能であった②PLA法によりHER2-2 dimer発現を定量化・数値化することが可能であり、HER2陽性細胞株間においてHER2-2 dimer高発現細胞株とHER2-2 dimer低発現細胞株に分類であった③HER2-2 dimer発現がtrastuzumabの効果予測因子となること、PLA法によるHER2発現がT-DM1の効果予測因子となることを発見した。
また臨床検体を対象とした研究として、HER2陽性乳癌と診断されtrastuzumabを含む術前化学療法が施行された乳癌症例を対象に、HER2-2 dimer発現と病理学的完全寛解の相関を検討した。HER2陽性乳癌23症例の解析において、HER2-2 dimer高発現症例ではHER2-2 dimer低発現症例よりも有意に高いpCR率を認めた(高発現11/16, 69%, 低発現1/7, 14%, p=0.002)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度はHER2陽性乳癌細胞に対するPLA法によるHER2およびHER2-2 dimer発現解析法の手技習得・確立のためにin vitroの研究を中心に施行した。臨床検体を対象とした研究はまだpreliminaryな検討を進めた段階であり、いまだ臨床検体についてのデータが不十分であるため、やや遅れていると評価した。またHER2-3 dimer経路についてはligand-dependant経路についてのアッセイが十分に検討されていない。

今後の研究の推進方策

今後はHER2標的治療が施行されたHER2陽性乳癌症例の検体を用いた検討を進め、PLA法によるHER2およびHER2-2 dimer発現が有望な効果予測因子となることを明らかとする。許可が得られれば、多施設共同臨床試験に登録された検体を対象としたトランスレーショナルリサーチに参画し研究を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Expression levels of HER2-2 dimer in proximity ligation assays is associated with trastuzumab sensitivity in HER2-positive breast cancer2013

    • 著者名/発表者名
      Hideo Shigematsu
    • 学会等名
      ESMO
    • 発表場所
      オランダ、Amsterdam
    • 年月日
      20130927-20131001
  • [学会発表] PTEN発現およびHER2-2二量体発現解析に基づく術前trastuzumab療法効果予測の試み2013

    • 著者名/発表者名
      重松英朗
    • 学会等名
      日本乳癌学会
    • 発表場所
      浜松市
    • 年月日
      20130627-20130629

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公開日: 2015-05-28  

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