研究課題
今年度はin vivoの研究として細胞培養の実験を中心に行った。予備実験として大腸癌細胞株6種(COLO205, DLD1, HCT8, HCT15, HCT116, HT29)およびTNF-aの発現量が比較的多いことが知られている膵癌細胞株1種(BxPC3)を用い、TNF-aが発現していることを確認した。まず、各癌細胞株にTNF-aや抗TNF-a抗体を加え、CCK-8 assayを用いて細胞増殖能の測定を行った。BxPC3にTNF-aを投与すると、TNF-aの濃度依存的に細胞増殖が抑制され、一定濃度のTNF-aに各種濃度の抗TNF-a抗体を投与したところ、抗TNF-a抗体の濃度依存的に細胞増殖が促進されていたことを確認した。大腸癌細胞株のHCT8に同様の実験を行ったところ、BxPC3の結果と同じくTNF-aによって細胞増殖が抑制され、TNF-aに抗TNF-a抗体を加えると細胞増殖が促進されていた。このことから、この2つの癌細胞株に対してはTNF-aには細胞増殖を抑制する効果があり、抗TNF-a抗体にはTNF-aの働きをを抑制する効果があるのではないかと推察された。今後は他の癌細胞株に対しての増殖能を測定するなどさらに研究を進めてい区予定である。その後はin vitroの実験系として①炎症性発癌動物モデルとしてAOM / DSSマウスを作成し、抗TNF-a抗体を投与して生体内で実際の癌抑制効果を検討する実験と、②マウスの皮下に大腸癌細胞を移植し、そのうえでマウスに抗TNF-a抗体を投与し、癌細胞の増殖を測定し、検討する実験を施行する予定であったが、この2年間の研究期間ではin vitroの実験までは到達できなかった。研究期間は終了してしまったが、本研究は継続していきたい。
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Surgery Today
巻: 27 ページ: 掲載確定
International journal of clinical oncology
巻: 掲載確定 ページ: 掲載確定
巻: 20 ページ: 117-125
Springerplus
巻: 該当なし ページ: 該当なし