クローン病の大腸癌発生率は一般と比べて高いことはよく知られている。一方、クローン病の治療薬として抗TNF-a抗体が近年頻用されているが、抗TNF-a抗体が癌の発生や進展に関与している可能性が指摘されているが、まだ結論が得られていない。本研究では抗TNF-a抗体が大腸癌細胞株の増殖能に対して及ぼす影響を検討することを目的とした。 各種大腸癌細胞株にTNF-aのみを投与したとき、次いでTNF-aと抗TNF-a抗体両方を投与した時の癌細胞株の増殖能をCCK-8 assayを用いて検討したところ、各細胞株はTNF-aでは増殖能が抑制され、抗TNF-a抗体では増殖が促進されることが判明した。
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