有効性の確立した肝線維化治療法は肝移植のみであり、他の治療法の確立が必要である。我々は肝線維化が血小板増加により抑制される事を報告した。また血小板はアデニンヌクレオチドを介し肝星細胞の活性化を抑制し、Ⅰ型コラーゲン産生を抑制することを報告した。そこで肝類洞内に存在する肝星細胞に直接的作用を及ぼすレチノイン酸に着目し、レチノイン酸修飾アデノシン封入リポソームを作成することで選択的に肝線維化を抑制する事を試みた。不死化ヒト肝星細胞株に対しアデノシン添加することによりTWNT-1の活性化が抑制されることを確認した。しかし、線維化モデル動物に対してはアデノシンの有効性を証明することが困難であった。
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