研究課題/領域番号 |
25861178
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渋谷 和人 富山大学, 附属病院, 助教 (50636248)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / Na+,K+-ATPase α3-サブユニット / 組織アレイ / 培養細胞株 |
研究概要 |
1.ヒト肝細胞癌由来細胞株の樹立:当教室で肝細胞癌と診断され肝切除がなされた症例の切除標本から肝細胞癌組織を採取して、肝細胞癌培養細胞を分離を試みている。現在までに継代できた細胞株はないが、今後も継続して細胞株の樹立を目指す。 2.臨床データの収集:当教室で過去10年にわたり日常的に行われてきた、肝細胞癌切除症例の術前、術後の臨床データ、病理学的データの収集、データベース化をすすめている。 3.肝細胞癌組織アレイの免疫染色:我々がこれまでに見出した肝細胞癌において発現上昇しているNa+,K+-ATPase α3-サブユニット(α3NaK)の抗体を購入し、これを用いて当教室で過去に作成した肝細胞癌組織アレイの免疫染色を行った。染色結果をスコアリングして数値化し、2.で収集した臨床病理学的因子データベースとの対比を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.肝細胞癌の臨床データの収集はほぼ完了している。生存期間などの複数の項目では、定期的な更新が必要である。 2.組織アレイの免疫染色結果のスコアリングはすでに完了しており、上記1.の臨床データの更新が完了し次第、統計学的な関連性の検討を進めることが可能である。 3.肝細胞癌由来細胞株の樹立に難渋しており、培養条件の再検討など、さらに研究期間が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
1.今後は、樹立した肝細胞癌株もしくは既存のヒト肝細胞癌由来細胞株HepG2を用いて、α3NaKの発現上昇に関連したmicroRNAの解析を行う予定であり、これは肝細胞癌の新規のバイオマーカー探索を目指すものである。 2.HepG2細胞をはじめとした培養細胞株を用いて、薬剤感受性を探索する。現在肝細胞癌の化学療法に日常診療で使用されている5FU、シスプラチン、エピルビシン、ミリプラチンや、Na+,K+-ATPaseのリガンドとなる強心配糖体の感受性試験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
肝細胞癌由来培養細胞株の樹立が完成されず、totalRNAの抽出からはじまるα3NaKに関連する遺伝子の網羅的解析が次年度へ持ち越された。 microRNAチップを用いてα3NaKに関連する遺伝子の探索的研究を進める。
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