研究課題/領域番号 |
25861183
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角田 茂 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60597300)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 末梢血中腫瘍細胞 |
研究概要 |
従来より、胃癌を含めた一部の進行癌患者では、末梢血液中に腫瘍細胞が見られることが報告されており、末梢血中腫瘍細胞(CirculatingTumor Cell:CTC)と呼ばれてきたが、腫瘍細胞の評価方法により偽陽性が多いことや孤立性の腫瘍細胞は転移能をもたないとの知見などから、その臨床的意義に関しては異論が多かった。しかし、近年特異度の高い免疫磁気法によるCTC の自動測定法が開発されたことにより、これを用いた胃癌CTC に関する研究報告も散見されつつある。 今回われわれは、術前化学療法の対象としている、StageIII-IV の進行胃癌に対し、術前化学療法施行前後のCTCの変化とCTや内視鏡検査、腫瘍マーカーによる治療効果の比較、および腹膜播種や腹水中の癌細胞の推移を観察し、治療効果判定としてのCTC の有用性を明らかにする。 また、再発症例におけるCTC の挙動や化学療法前後の変化を解析することで、胃癌治療の新たなサロゲートマーカーとなりうるかについても並行して行っていく。 さらに、CTC と胃癌組織特に癌幹細胞マーカー陽性細胞との遺伝子プロファイルの比較検討を行いCTC の生物学的意義を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CTC 陽性例がまだ十分な症例数に達していないため、十分な症例数を確保したのちにCTC 陽性症例の臨床病理学的解析を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例の集積を行い、進行胃癌におけるCTC の術前化学療法による変化と、臨床的な治療効果の関係、特に客観的評価の行いやすい腹腔鏡下病期診断例での腹膜播種や腹水中の癌細胞の変化、および再発症例におけるCTC の経時的変化を観察することで治療効果判定検査としての有用性を明らかにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
若干の端数が生じたため。 新年度予算と合わせて使用の予定である。
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