食欲増進作用を有するグレリンは、アシルグレリン(活性型グレリン: AG)とデスアシルグレリン(不活性型グレリン: DG)が存在する。肝移植後早期の食欲不振や低栄養に、周術期のグレリン代謝の変化が関与していると仮説し、肝移植前後の患者サンプルを用いてAG値を測定した。また同患者血清を用いてin vitroでAG代謝について検討した。 移植前はAG値が有意に上昇し、移植後にAG値が減少した。移植前患者の血清サンプル中では有意にAG代謝が低下していた。コリンエステラーゼ値がA/T比(アシル/トータルグレリン比)と逆相関しており、AG代謝に関わる酵素である可能性が示唆された。
|