研究課題
大量肝切除あるいは生体肝移植における術後肝不全は現在においても深刻な問題である。特に加齢肝切除症例における術後肝不全、加齢肝グラフトにおける移植後のグラフト機能不全が報告されている。このような加齢肝術後肝不全において、肝星細胞が重要な変化・役割を担っていることが推測される。加齢と肝星細胞に関する報告はこれまでなく、その活性化のメカニズムも不明である。近年、加齢肝はSMP30・p66src による酸化ストレスや、その結果生じる活性酸素による小胞体ストレス下にあることも報告されており、過剰な小胞体ストレス応答の存在が示唆される。昨年度においては加齢肝星細胞をマウスより単離・培養する系を樹立した。本年度はこの肝星細胞の肝再生関連因子(HGF, TGFb)の発現、肝細胞との共培養により肝細胞増殖に与える影響を検討した。この結果では、肝星細胞は肝細胞増殖を促進するが、加齢肝星細胞では若年肝星細胞と比較してその増殖促進効果が減弱していた。さらに加齢及び若年肝星細胞の差異を検討するために、小胞体ストレス応答に着目し検討を行ったが、小胞体ストレス誘導下のBip発現には差を認めなかった。
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