Serine protease inhibitor, Kazal type 1 (SPINK1)は上皮増殖因子との構造上の類似点があり、細胞増殖活性を有するユニークなトリプシンインヒビターである。まずヒト大腸癌組織の55%でSPINK1が発現していることを確認した。次に大腸癌細胞株および遺伝子改変マウスを用いて、SPINK1の過剰発現系および抑制系モデルを作製し、大腸癌の増殖を検討した。その結果、SPINK1の発現に応じて、腫瘍の増殖が有意に変化した。以上より、SPINK1は大腸癌細胞の増殖に寄与しており、大腸癌の進展に影響することが示された。
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