本研究では、非B非C肝炎におけるSIRT1発現の意義を検討した。 非B非C肝癌非腫瘍部において、SIRT1発現は健常肝と比して高値であった。しかし、補酵素NAD量、NAMPT遺伝子発現量低下、ヒストンアセチル化亢進が認められ、SIRT1活性低下が考えられた。肝癌細胞株・肝組織において、低酸素とSIRT1発現の関連が認められた。肝癌細胞株は低酸素・高グルコースによるNAD低下状態において、CXCL10、MCP-1発現を誘導した。低グルコース培養によるNAD量の回復、SIRT1活性化剤によって、それら誘導は抑制された。 非B非C肝においてSIRT1活性の回復が、新たな治療となる可能性が考えられた。
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