今後の研究の推進方策 |
hPFsとhPSCsの特徴を踏まえて、それぞれのmRNAおよび蛋白レベルにおいて代表的な表面マーカー、液性因子等の発現レベルを検討する(網羅的解析を含む)。hPFsの方がhPSCsよりも強い癌間質相互作用を示したため、このhPFsは当研究室で証明したような特定の表面抗原などを有する特殊な細胞集団である可能性が高い。さらには、マウス腹膜播種巣で膵に移植した線維芽細胞が生着していた場合、hPFsが間葉系幹細胞(MSC)の性質を示す可能性もあり、MSCで特徴的とされるCD13,CD14,CD29,CD31,CD34,CD44,CD45,CD73,CD90,CD105,HLA-DRなどのマーカー発現量も解析する。これらhPFsに特異的に発現する分子、表面マーカー等を同定し、新規治療法を開発する。当研究室では、siRNAおよびshRNAによる遺伝子導入技術は確立済みであり、このRNAiの導入により治療実験をin vitro、in vivoにおいて行う。さらには、膵癌腹膜播種のみならず、膵癌肝転移等の症例も応用できるか検討を加える。
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