癌微小環境を構成する細胞の多くが骨髄由来の細胞であることが報告されている。われわれは胃癌の肝転移巣においてはVEGR-1を発現する骨髄前駆細胞と癌細胞とが共存することが重要であることを明らかにした(Mimori K. Clin Cancer Res 2008)。今回われわれは胃癌患者約200例の骨髄中のc-FosのmRNAの発現を測定したところ、Stage毎に有意に発現が増加していた。また、末梢血中のc-Fos mRNA発現もStage毎に有意に増加していた。このことは進行胃癌患者の骨髄または末梢血液中では、何らかの宿主側細胞由来のAP-1が高発現を来していることを示唆していた。
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