膵島分離・移植プロセスにおいて、Clイオンチャネルによる細胞容積調節および小胞体ストレス応答の両機構を制御し、膵島喪失を回避することを目的とした。膵消化の過程ではClイオン流入阻害により細胞死は抑制されるが、培養過程では細胞死抑制効果はなく、細胞周囲環境によってClイオンチャネルに対する制御法は異なることが示唆された。一方、本実験系では小胞体ストレスの強い応答変化は捉えられなかった。Microarrayを用いて分離後膵島にかかるストレスを網羅的に解析したところ、IL1βやTNFを上流制御因子とする変化が確認され、これら炎症性サイトカインが引き起こすストレス経路の制御の重要性が示唆された。
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