急性肝炎や急性膵炎など実質臓器の急性炎症重症化の病態には、炎症性サイトカインの重要性が知られており、申請者はその重症化に関わる多くの炎症性サイトカインを制御しているマトリックスメタロプロテイナーゼ群(MMP)とMMPの活性化を制御する線維素溶解系(線溶系)因子群に着目した。致死的な急性肝炎モデルマウスに対して線溶系阻害剤を投与することで生存率が有意に上昇した。その機序として、各種MMPの活性化が抑制されることで、炎症性サイトカインやケモカインの血中濃度が低下することと、それらの供給源と考えられる炎症性細胞の標的臓器への浸潤が抑制されることであることが示唆された。
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