本研究では、血管新生を促進するVasohibin-2を制御することで、自然発症腫瘍の悪性化を制御し、腫瘍内微小環境を正常化できないか検証する事を目的とした。ApcMin/+/Vash2-/-マウスでは、腫瘍の減少や, 血管の正常化などが見られるため、マイクロアレイにて発現遺伝子の解析を行なった。コントロールに比べ、炎症や腫瘍発症に関係のあるIL-6ファミリーなどの発現が優位に下がっていることに加え、マクロファージの発現にも変化が見られた。このように、腫瘍内微小環境を制御することができれば、腫瘍発症に関連する慢性炎症も押さえられ、VASH2の臨床応用に大いに期待がもてると考えられた。
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