本研究は、ApcMin/+マウス小腸の腺腫形成領域における形態変化を明らかにすることを目的として、消化管運動の調節機構として働くICCに特に注目しながら解析を行った。ApcMin/+マウス小腸の腺腫形成領域では、腺腫の発達に伴って筋層が肥厚していくが、肥厚には筋細胞の増殖と細胞間隙の拡大が関与していた。また、ICCも腺腫の発達に伴って増殖し、新たな方向に突起を伸ばしていた。特に輪走筋層に向けて伸ばした突起は、神経線維や平滑筋と密接し、コネキシンを発現していた。このことから、粘膜層における腺腫形成が、筋層においても細胞増殖や機能変化を示唆する形態変化を引き起こしていることが明らかとなった。
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