合計245症例の全ゲノムシークエンスの解析結果から、肝癌特有の変異遺伝子ARID2遺伝子について機能欠失型点突然変異とゲノム構造異常が合計13% (33/245)の肝がん検体において変異を検出した。全遺伝子変異との比較解析から、ARID2遺伝子の変異は最も有意な変異遺伝子群の一つであることが示唆された。さらに予後との相関解析においては、ARID2とPBRM1に変異を持つクラスターが最も予後不良であることが示唆された。さらに肝癌細胞株を用いて機能解析を行った結果、ARID2は肝癌において腫瘍抑性的に働くことが示唆された。今後肝癌で検出された変異について長期的な安定発現により詳細に影響を実証する。
|