血管内膜肥厚(IH)に対する有効な予防、治療法は確立されていない。転写因子CREBの結合サイトのCRE活性を核酸医薬を用い制御することでIHを抑制する。CRE decoy ODNを設計し、血管平滑筋細胞に遺伝子導入すると、CRE活性、増殖能および遊走能を有意に抑制した。またCRE活性により誘導される遺伝子群の発現も有意に抑制した。マウスワイヤ障害モデル (C57BL/6J)を作成し、マイクロバブル超音波導入法を用いてCRE decoy ODNを血管壁に導入した。術後3週でのIH抑制効果につき現在評価中ある。IH抑制療法として、CRE decoy ODNを使った分子治療法に期待が寄せられる。
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