研究実績の概要 |
1)PRP作成:Japanese White Rabbit の大腿静脈より静脈血を採取し、二回遠心分離法でPRPを作成する為に様々な遠心条件を検討した。全血と遠心分離にて得られたPRPを血球計数測定装置にて測定し、PRP/全血が5以上を使用基準とした。最終的に一回目:4℃, 1000G, 10分、二回目:4℃, 2100G, 10分の条件で作成した結果、PRP4検体の<PRP/全血>平均値が10.6と最も高値であった。その後、塩化カルシウムを投与し、アクチベートした後に、細かく切開したゼラチンハイドロゲルと撹拌し、投与を行った。 2)胸骨虚血モデルの作成:Japanese White Rabbit 24検体を、以下の3群に無作為に分けた。①胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮した群 、②胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、PRPを胸骨および胸骨周囲に投与する群、及び③胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、ゼラチンハイドロゲルによる徐放化PRPを胸骨および胸骨周囲に投与する群。モデル作成後、後述する検討項目データを採取し、4週間後に屠殺し、評価を行った。 3)病理学的及び力学的評価:胸骨周囲の血管新生の評価の為、Anti Rabbit CD31及びCD34抗体を使用した免疫染色により微小な血管の染色が可能であり血管数のカウントが行えた。しかしながら、同種抗体であり、疑陽性率が高くなることが懸念されたため、HE, Masson染色により血管数のカウントを行う方針とした。また、骨癒合の評価として胸骨CTを撮影し、BMC(bone mineral content), BMD(bone mineral density)を解析する予定である。また、骨の張力テストとして、胸骨に独自に作成した治具を取り付け、オートグラフにかけて切開線に対して垂直に引っ張りその強度を測定することも検討している。
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