研究実績の概要 |
1)PRP作成:Japanese White Rabbit(雄、週齢22)の大腿静脈より静脈血を採取し、二回遠心分離法でPRPを作成。諸条件を施行検討し、最終的に一回目:4℃、1000G、10分、2回目:4℃、2100G、10分の条件で作成した結果、PRP/全血の値が10.6と最も高値であったため、この条件を採用した。現在、採取手技は確立し、平均10倍以上のPRPを作成できている。 2)胸骨虚血モデルの作成:同Rabbit18検体を、以下の3群に無作為に分ける。①胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮した群、②胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、PRPを胸骨及び胸骨周囲に投与する群、及び③胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、ゼラチンハイドロゲルによる徐放化PRPを胸骨周囲に投与する群。 3)病理学的及び力学的評価、及び画像による骨癒合評価:HE及びMasson染色により血管数のカウントを行う。骨癒合の評価として、胸骨CT(LCT200,aloka社製)によるBMD(Bone Mineral Dencity)評価等も行っている。 4)Prestudyにおいて、16羽をランダムに2群に分けて、コントロール群とPRP+ゲル群について解析を行った。Day4,7,10,14に各群2羽ずつ屠殺し、それぞれについてHE染色を施行。7-10日の観察期間では骨芽細胞の増生は観察されなかった。海面骨密度はDay7の時点でPRP+ゲル群が高値であった。海綿骨密度を上げたのは、線維芽細胞である可能性がある。線維芽細胞が多いことが、その後の骨形成にどのように影響するか、良い方向に働くのであれば、治癒の早期に繊維芽細胞を増殖させるPRPの効果は有効であると言えるのではないかと推測された。
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