本研究の主目的は、肺移植後の最大の長期予後規定因子である慢性拒絶反応(慢性閉塞性肺疾患:OB)に関する病態解明と治療方法の開発である。実際OBの研究は長年行われてきているもののその機序に関しては依然不明のままであり、マウスを使った基礎実験に期待が寄せられている。マウスのマイナー組織適合抗原ミスマッチモデルで同所性肺移植の28日後にOBを約50%に生じるため、その詳細な機序について解析を行った。OB群ではIL-17が重要な役割を果たしており、IL-10が抑制的に作用していた。またマイナー抗原により移植後21日目にIL-17が誘導されており、IL-17を抑制する治療戦略が有効な可能性が示唆された。
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