研究課題/領域番号 |
25861243
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
早稲田 龍一 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20579651)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 新規手術手技 / 呼吸器外科 |
研究概要 |
触知不能な肺結節に対する手術や触診を利用できない胸腔鏡手術において肺葉切除以下の術式を施行する際には、部位と標的病変の広がりを正確に認識することが不可欠である。病変の視覚化に関して種々の肺マーキング法の報告があるが、合併症・有用性の点より問題点は少なくない。現状に行われているマーキングより安全性・有用性で上回るマーキング方法として、光線力学診断(photodynamic diagnosis, PDD)用内視鏡システムとビタミンB2を使用した経気道的マーキング法を考案し、本研究において有用性および安全性を検討した。これまでの研究で、研究実施計画においてphase1(平成25年度計画)と設定した、動物実験においてブタ12頭に対し実験・評価を行った。その結果、①PDD内視鏡システムとビタミンB2 を利用した蛍光法による経気道的マーキングが可能であること、②本法によるマーキングの精度および蛍光の強度・持続時間が十分であること、③本法に使用するビタミンB2は理論上、アレルギー・組織障害・中毒がないため、手技上の安全性が確保できれば極めて安全な手技と考えられること、④安全性から複数のマーキングが可能であることが確認できた。次いで、本法の臨床導入を想定したphase2(平成26年度前半計画)の動物実験をブタ6頭に対し施行し、①手術時を想定した設定においても本法を利用したマーキングが可能であること、②蛍光の強度・持続時間においても本法を利用した肺部分切除が可能であること、③マーキングにより十分な病変の切除が行われていること、④動物実験においては本法が安全に施行できることが確認できた。これまでの研究成果について国内学会の発表を行っており、現在海外学会・英文誌への発表を予定している。今後、研究計画通り、臨床への導入のため院内倫理委員会・臨床試験センターの承認を取得予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究で、研究実施計画における平成25年度計画のphase1に関しては、ほぼ実験計画通り、ブタ12頭に対し実験・評価を行った。その結果、①PDD内視鏡システムとビタミンB2 を利用した蛍光法による経気道的マーキングが可能であること、②本法によるマーキングの精度および蛍光の強度・持続時間が十分であること、③本法に使用するビタミンB2は理論上、アレルギー・組織障害・中毒がないため、手技上の安全性が確保できれば極めて安全な手技と考えられること、④安全性から複数のマーキングが可能であることが確認できた。 次いで、本法の臨床導入を想定したH26年前半の計画であるphase2の動物実験をブタ6頭に対し、手技上、対象病変の設定等にわずかな変更を加えたが概ね計画通りの実験を施行した。その結果、①手術時を想定した設定においても本法を利用したマーキングが可能であること、②蛍光の強度・持続時間においても本法を利用した肺部分切除が可能であること、③マーキングにより十分な病変の切除が行われていること、④動物実験においては本法が安全に施行できることが確認できた。 これまでの研究成果についても国内学会の発表を行っており、また海外学会への発表も予定している。また、英文誌への投稿に向けた準備中である。 以上より計画通りの順調な研究進行状況と考える。
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今後の研究の推進方策 |
前記のごとく、研究は計画通り順調に進行している。今後、研究計画通り、臨床への導入のため当大学病院内倫理委員会・臨床試験センターの承認を速やかに取得し、最終的な目標である臨床での評価(H26年度後半計画)につなげる予定である。 また、研究成果についても計画通り、海外学会・英文誌への発表を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ予定通りの支出であったが、種々の支出の端数として次年度使用額がわずかに生じた。 次年度使用額と翌年度分併せて、予定通り交付決定額全額の使用を予定している。
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