研究課題
若手研究(B)
肺特異的deltaNp63 inducible (iPDN63)マウスを用いてdeltaNp63蛋白発現の予備検討試験として、iPDN63マウスに1週間のドキシサイクリン0.2%飲水投与を行い、動物を剖検後、肺の病理組織学的解析を行った。deltaNp63及びpan p63抗体を用いた免疫組織化学染色の結果、肺上皮細胞において、十分なdeltaNp63蛋白の発現が認められなかった。この結果を踏まえて、投与経路の変更を行い、ドキシサイクリンの混餌投与(自由摂取)及び腹腔内投与(2mg/mouse, 週2回)も合わせて検討を行ったが、免疫組織化学染色において十分なdeltaNp63蛋白の発現が認められなかった。これらの結果より本マウスはターゲット遺伝子の挿入部位になんらかの問題があり、deltaNp63蛋白発現を解析する上で十分なモデルでないと考えられた。現在は、iPDN63マウスの作製を再度行っている。一方、短期間のdeltaNp63蛋白の発現を検討するための代案として、肺におけるin vivo transfectionの系を構築した。pCAG-EGFPベクターを100 ug/mouseの容量で気管内投与後、針電極を用いエレクトロポレーションを行った後、48時間後に解剖を行った。肺を摘出後実体蛍光顕微鏡下で観察した結果、肺の電極穿刺部位におけるGFP発現を認めた。さらにGFP抗体を用いた組織評価の結果、穿刺部位周囲の細気管支上皮及び肺胞上皮におけるGFP発現を認めた。現在、同方法を用いてpTRE-3G Zsgreen1-Ires-deltaNp63コンストラクトのin vivo transfectionを行っている。
4: 遅れている
作製したマウスにおけるdeltaNp63蛋白が十分な発現を示しておらず、現在再度マウスを作製している。代案として、spc-rtTAマウスの肺でin vivo transfectionを行い、検討用のプラスミドの肺への発現を認めている。
現在、再度作製したマウス約90匹からターゲットコンストラクトが導入されたマウスが3匹とれている。現在、本マウスとspc-rtTAマウスとの交配を行い、F1マウスにおけるDox投与による肺でのdeltaNp63蛋白発現の確認を行う予定である。合わせて、新たに開発したマウス肺でのin vivo transfectionの系を用いて、マウス作製の際に使用したプラスミドを気管内投与し、肺上皮におけるdeltaNp63発現による初期影響を検討する予定である。
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