研究課題/領域番号 |
25861249
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 繁紀 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80645672)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 細胞集塊型転移 / スフェロイド共培養 / 上皮間質移行関連シグナル |
研究概要 |
肺癌細胞株としてA549、線維芽細胞株としてTIG3、MRC5を用いて、通常のシャーレを使用 した2D培養を、それぞれ単独で培養した場合及び比率を変えて両者を共培養した場合に分けて行った。継時的に顕鏡すると、およそ3日目でTIG3、MRC5から突起が出現し、A549間の橋渡しをするような増殖像が認められた。次に同様の共培養及びそれぞれの単独培養をNanoculture plateを用いて3D培養すると、約3日目でスフェロイドが形成され、1週間以上観察すると、A549単独では球体に近いコロニーが形成され、線維芽細胞株を混じると突起を混じた不整な形状になった。また、線維芽細胞株単独ではアノイキス抵抗性が無いためか、細胞はほぼ死滅した。A549, 線維芽細胞株のスフェロイド共培養は細胞集塊型転移の実験モデルとして有用であることを確認した。次いで、①癌細胞株単独で2D培養した場合②Nanoculture plateを用いて癌細胞株をスフェロイド培養(3D培養)した場合③線維芽細胞株と癌細胞株をスフェロイド共培養した場合の3つのグループに分けてそれぞれ培養し、同量をヌードマウスに尾静注し、4週間後に形成された肺転移巣の肉眼的個数を比較した。いずれにおいても肺転移巣は形成されたがスフェロイド共培養下ではより転移巣が目立つ傾向にあった。以上よりこの手法を転移形成モデルとして、次年度にスフェロイド共培養が細胞増殖に及ぼす影響等を検討することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スフェロイド培養を用いて細胞集会型転移を検討するための再現性のある実験モデルを確認し、これらをマウスに尾静注することで肉眼的に転移高率の差を比較することができるという転移形成モデルを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
・スフェロイド共培養が細胞増殖に及ぼす影響を示す。 ・スフェロイド培養した細胞集塊をヌードマウスに尾静注し、繊維芽細胞共存下における肉眼的肺転移個数の相違を示す。 ・スフェロイド培養したコロニーに抗癌剤を投与してCTGアッセイを行い、細胞死を評価し、癌細胞が繊維芽細胞と集塊を形成する状態における抗癌剤感受性低下を立証する。メカニズムとして、薬剤耐性遺伝子の増強と細胞周期が停止すること、幹細胞マーカーが上昇すること等をin vitroで示す。
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