研究課題
(1)肺癌細胞株(A549),肺線維芽細胞(TIG-3)を用いてNanoculture plate (NCP)上で培養した。培養開始後72時間頃に、各々を単独で培養した場合には球形の整形のスフェロイドを形成した。一方で両者を共培養してスフェロイドを形成させると、混じり合った後に、複数の突起をもつ歪なスフェロイドを形成した。(2)スフェロイド共培養3日目のスフェロイドを回収し、Erk-MAPK, Aktのリン酸化をウェスタンブロットで評価した。ErkおよびAktがリン酸化されることを確認した。共培養によって抗アポトーシス経路のシグナル伝達が生じることが示唆された。(3) 単一細胞における薬剤に対する影響と2種の細胞の共培養下での薬剤に対する影響をTIG3+A549で評価した。Gemcitabineに関して評価すると、線維芽細胞との共培養の方が明らかに薬剤耐性が高かった。一方、EGFR阻害剤;Gefitinibを用いた試験では、共培養群においても単独細胞群に比較してGefitinibの効果が大きく減退しているという傾向は見られず、ともに薬剤濃度依存性に細胞数が低下した。(4) 培養したスフェロイドを回収しAngptl4発現をウェスタンブロットで解析したところ、共培養モデルでAngptl4発現が高くなることが確認された。(5)①癌細胞(A549)単独で2D培養した場合②NCPを用いて癌細胞をスフェロイド培養(3D培養)した場合③線維芽細胞(TIG3)と癌細胞をスフェロイド共培養した場合の3つのグループに分けてそれぞれ培養し、同量をヌードマウスに尾静注し、4週間後に形成された肺転移巣の肉眼的個数を比較した。いずれにおいても肺転移巣は形成されたがスフェロイド共培養下ではより転移巣が目立つ傾向にあった。
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