研究課題
抗MYT1L抗体として市販されているN末端抗体(ab93671; Abcam)とC末端抗体(ab139732; Abcam)を購入し、H25年度と同様に抗体の信頼性の検証を行った。H25年度に作成したMYT1L強制発現細胞(V5・MYT1LをトランスフェクションしたCos7細胞、GFP・MYT1Lをトランスフェクションした293T細胞)を用い、Western blottingおよび免疫組織化学染色を行ったところ、両抗体ともMYT1Lを認識することが確認された。その後、腫瘍検体を用いて同様にWestern blottingと免疫組織化学染色を行った。なお腫瘍検体に関しては、H25年度と同様、qRT-PCR上のMYT1L発現量をもとに高発現グループ3検体と低発現グループ3検体を抽出した。Western blottingでは、N末端抗体において腫瘍検体でも強制発現細胞と同じ部位にバンドが検出できたが、qRT-PCRの結果と一致しなかった。免疫組織化学染色では、同じくN末端抗体において高発現グループで染色が見られたが、低発現グループでも染色が見られた。以上の結果から、市販の抗MYT1L抗体を用いても、Western blottingでのバンドの有無とqRT-PCR上のMYT1L発現量、あるいは免疫組織化学染色での染色性とqRT-PCR上のMYT1L発現量の間に、相関は見られなかった。
3: やや遅れている
テロメア伸長に関わるATRX遺伝子の変異が神経膠腫の発生に重要であることが示唆され、当院症例を用いて遺伝子解析を行った結果、染色体1p/19q共欠失と相互排他的であるという知見が他研究と同様に得られた。これは来年に予定されるWHO脳腫瘍分類の改訂時に分子分類として組み込まれる可能性がある、非常に重要な知見である。これらの解析のため、本研究に5か月程度の遅延が生じた。
先行研究にて神経系中間系線維INAもMYT1L同様染色体共欠失と関連していたため、INA発現をqRT-PCR等で解析し、MYT1Lとの相同性を検討する。また、他研究で施行した全エクソーム解析データを用い、転写因子MYT1L発現に関連しうる遺伝子発現を検索する。
市販の抗MYT1L抗体を用いても、Western blottingでのバンドの有無とqRT-PCR上のMYT1L発現量、あるいは免疫組織化学染色での染色性とqRT-PCR上のMYT1L発現量の間に、相関は見られなかった。先行研究にて神経系中間系線維INAもMYT1L同様染色体共欠失と関連していたため、INA発現をqRT-PCR等で解析し、MYT1Lとの相同性を検討する。また、他研究で施行した全エクソーム解析データを用い、転写因子MYT1L発現に関連しうる遺伝子発現を検索する。
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