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最も悪性の脳腫瘍である膠芽腫の治療抵抗性を克服しうる新規治療法を開発することを目的とした。TRAIL（tumor necrosis factor related apoptosis-inducing ligand）を分泌する神経由来幹細胞や骨髄由来幹細胞は膠芽腫への強い遊走能を持ち、膠芽腫治療に有効であるが、一部の膠芽腫細胞は治療抵抗性を示す。膠芽腫細胞株と患者さん由来の膠芽腫幹細胞株におけるTRAIL感受性のスクリーニングを行い、TRAIL感受性細胞株とTRAIL抵抗性細胞株を同定した。TRAIL抵抗性膠芽腫細胞株におけるmicroRNA発現をスクリーニングし、TRAIL治療抵抗性膠芽腫細胞株で発現が低下しているmicroRNA(=miRX)を同定した。TRAIL治療抵抗性膠芽腫細胞株でmiRXを過剰発現させた後にTRAIL分泌幹細胞の上清を作用させると膠原腫細胞の増殖が抑制された。miRXによる治療抵抗性克服の分子機序を解明するため、miRX導入前後の細胞株でWestern-blot解析ならびにレポーター解析を行い、miRX標的分子を同定することができた。これらの結果により、miRXによる治療抵抗性機序の一端が明らかとなった。またmiRXとTRAIL分泌幹細胞を用いる新規治療法によって、膠芽腫の治療抵抗性を克服できる可能性が示唆された。
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