研究課題/領域番号 |
25861267
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
榎本 由貴子 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20377659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | クロピトグレル不応症 / 血小板機能検査 / 抗血小板療法 / 脳血管内治療 |
研究概要 |
研究目的:脳血管内治療のためクロピドグレルを内服する症例において、血小板機能検査、CYP2C19遺伝子多型と周術期合併症の関連性を検討し、クロピドグレル不応症に対する対処法を見出す。 ①脳血管内治療術前抗血小板療法として、あらたにクロピドグレルを内服開始する症例における、ローディング投与後の経時的血小板機能検査、CYP2C19遺伝子多型と、周術期合併症との関連についての検討:現在までに脳梗塞急性期患者20例、慢性期脳梗塞患者15例の計35例における、クロピドグレルのローディング 投与後の凝集能値の経時的変化を検討した。25例集積時点における急性期症例と慢性期症例との比較検討は、中間報告として第39回日本脳卒中学会総会にて一般講演発表を行った。その概要は、慢性期脳梗塞においては、ローディング投与後6時間の時点で既に十分な効果が発現されていた一方、急性期群においては投与6時間はもちろんのこと24時間以降も十分な効果が発現されていなかった。両群間ではCYP2C19遺伝子多型やベースライン血小板機能検査値を含む背景因子に差を認めておらず、これらの結果からCYP2C19遺伝子多型を凌駕するクロピドグレル不応症の因子として、急性期脳梗塞が考えられた。しかし、各血小板機能検査の結果と周術期虚血性 / 出血性合併症とは関連性がみられておらず、検査上の値と臨床的転帰に解離が見られた。 ②クロピドグレル不応症における、シロスタゾール追加療法の前向き無作為化2群比較試験:現在までに15例を無作為化したが、登録症例数が少ないため両群間の比較検討には至っていない。現時点の解析では、シロスタゾール追加投与群ではADP血小板凝集能値、VerifyNowにおけるPRU値の低下が得られる傾向にあるが、クロピドグレル追加投与群では現在のところ明らかな低下は認められていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無作為化試験②についてはまだ登録症例が少ないものの、前向き比較検討試験①については予定症例数の半分以上に達し、急性期脳梗塞群で有意に薬効発現が抑制されている結果が既に得られている。
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今後の研究の推進方策 |
更なる症例の蓄積、サブ解析 研究結果の論文化
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次年度の研究費の使用計画 |
計画通りに使用したが、消耗品が当初の予定よりも安価に購入できたため、615円の次年度繰越金が生じた。 この繰越金を含め、血小板凝集能試薬、VerifyNow カートリッジ等の購入とCYP2C19遺伝子検査と論文校正費用、論文投稿料に使用する予定である。
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