研究課題
研究目的:脳血管内治療術前にクロピドグレルを内服する症例において、経時的な血小板機能検査、CYP2C19遺伝子多型と周術期合併症の関連性を検討し、クロピドグレル不応症に対する対処法を見出す。①クロピドグレルローディング投与後の経時的血小板機能検査、CYP2C19遺伝子多型と、周術期合併症との関連についての検討:中間解析結果は、第39回日本脳卒中学会総会にて学会発表を、日本脳神経血管内治療学会誌(JNET 2014;8:251-258)にて論文発表した。慢性期脳梗塞患者10例においてはクロピドグレル300mgのローディングドーズ投与6時間後で既に十分な抗血小板効果が発現されていた一方、急性期脳梗塞患者13例においては投与24時間以降も十分な抗血小板効果が認められなかった。しかし、併用したアスピリン200mgローディングドーズ投与については内服6時間後には充分な効果が得られていた。クロピドグレル不応症と判断されたのは15/ 23 (65.2%)例であり、それに関連する因子の検討においては、CYP2C19遺伝子多型との関連性は認められず(p=0.955)、急性期脳梗塞群(p=0.0018)と体格指数(p=0.005)に関連性が認められた。急性期脳梗塞患者33例、慢性期脳梗塞患者19例の計52例における最終解析結果については現在論文作成中である。②クロピドグレル不応症における、シロスタゾール追加療法の前向き無作為化2群比較試験:現在までに16例を無作為化したが、登録症例数が目標に達せず比較検討に至っていないが、シロスタゾール追加投与群では翌日にADP血小板凝集能値、VerifyNowにおけるPRU値の低下が得られる傾向にある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
J Stroke Cerebrovasc Dis
巻: 23 ページ: 2834-2839
10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2014.07.011.
JNET
巻: 8 ページ: 251-258
http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurosurgery/