抗血小板薬のひとつであるクロピドグレルの不応症は、特に代謝酵素であるCYP2C19の遺伝子多型の影響が重要視されていた。しかし、我々の研究では、クロピドグレル投与24時間後の血小板機能検査上の不応症は65.2%に認めたが、これに関連する因子としては、急性期脳卒中と、体格指数のみであり、CYP2C19の遺伝性多型は不応症に何ら影響していなかった。クロピドグレルの効果発現を早める内服方法(ローディングドーズ投与後)は、通常6時間で十分な効果が発現された一方、急性期脳卒中例では48時間以降も効果が発現されず、急性期脳卒中はCYP2C19遺伝子多型を凌駕する、不応症の関連因子であることがわかった。
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