研究課題
若手研究(B)
我々は、一次性及び二次性膠芽腫に共通して高頻度に見られる第10番染色体長腕欠失及び、第7番染色体長腕増幅という遺伝子異常に着目し、ある共通の遺伝子異常が低悪性度グリオーマから二次性膠芽腫への悪性転化の原因になっているのではないかと考えている。以前、低悪性度グリオーマにおける網羅的遺伝子解析により、DMBT1などの新規がん抑制遺伝子およびMETなどの新規がん遺伝子を見出した。DMBT1欠失及びMET増幅のあるグリオーマ幹細胞株に、DMBT1及びMET-shRNAを遺伝子導入し、様々な機能解析をすることで、悪性グリオーマの腫瘍増殖・進展及び悪性転化に関わるメカニズムを解明することを目的として研究を進めている。本年度は、DMBT1及びMET-shRNAを発現するベクターを作成し、遺伝子組み込みを主に行ってきた。まず本年度前半は、DMBT1の遺伝子導入及びMET遺伝子をノックダウンするために、高効率遺伝子導入用レトロウイルスベクターであるpDON-AI-2 DNAを使用して、DMBT1及びMET-shRNAを発現するベクター作成を行ってきた。かなりの時間を要したがベクター作成に成功することができた。次に、我々が持つ4種類のグリオーマ幹細胞株(Glioma-initiating cells; GICs)とグリオーマ細胞株(T98G, U251, U87)に遺伝子導入を試みているが、なかなか導入が困難であり時間を要している。特に、GICへの遺伝子導入が不安定であり、条件を変えながら行っているが未だ作成できずに終わっている。現在は、GIC以外で、U87のグリオーマ細胞株を中心に安定発現細胞株の作成を目標としているが、試行錯誤している段階にある。
3: やや遅れている
DMBT1及びMET-shRNAを発現するベクター作成にかなりの時間を要したことと、4種類のグリオーマ幹細胞株とグリオーマ細胞株(T98G, U251, U87)に遺伝子導入を試みているが、なかなか導入が困難であり時間を要しているため。
グリオーマ幹細胞株とグリオーマ細胞株(T98G, U251, U87)に遺伝子導入を成功させ、DMBT1遺伝子導入細胞株及びMET遺伝子のノックダウン細胞株の形態変化、腫瘍の増殖進展様式を詳細に観察することを目標としている。
購入予定していたベクターの購入数が少なくてすんだため、次年度使用額が生じた。In vivo実験でのマウス購入にあてたいと考えている。
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