研究課題
平成26年度に、DMBT1およびMET-shRNAをそれぞれ発現するベクターを遺伝子導入した細胞株をマウスに導入する予定であったが、生体内における腫瘍細胞の運動能を亢進及び抑制できるか調べているが、免疫不全マウスの実験進行に難渋している。よって、平成26年度中盤から、国内数施設から合計332例の低悪性度神経膠腫のDNAを採取し、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子変異解析も同時に行っている。本研究により低悪性度神経膠腫は遺伝子変異パターンにおいてIDH1/IDH2およびTP53変異、1p/19q co-deletionの有無によって極めて明確に下記の3群にわかれることが明らかとなった。私達は変異のパターンにおいて低悪性度神経膠腫を①Type I:IDH1/2変異有、1p/19q co-deletion有、②Type II:IDH1/2変異有、1p/19q co-deletion無、TP53変異有、③Type III:IDH1/2変異無、と名付け解析を行っている。詳細にデータを解析することにより、IDH1/IDH2の異常を持たないType III腫瘍は膠芽腫とよく似た変異パターンを示した。しかしながらType III腫瘍の生存期間は膠芽腫より良い結果となった。また、Type III腫瘍を発症する患者さんたちの年齢も膠芽腫と異なった。Type III腫瘍は膠芽腫と思われる症例が混ざっている可能性はあるが、膠芽腫とは異なった集団であり、独立して分類すべきグループということが分かった。
3: やや遅れている
DMBT1およびMET-shRNAをそれぞれ発現するベクターを遺伝子導入した細胞株をマウスに導入する予定であったが、生体内における腫瘍細胞の運動能を亢進及び抑制できるか調べているが、免疫不全マウスの実験進行に難渋している。
DMBT1を高発現もしくはMETの機能を抑制することで、生体内における腫瘍細胞の運動能を亢進及び抑制できるか調べているが、免疫不全マウスの実験を行うと同時に、低悪性度神経膠腫のサンプルセットに対して、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子変異解析も同時に行っていく予定である。
平成26年度に、DMBT1およびMET-shRNAをそれぞれ発現するベクターを細胞株に遺伝子導入し、それらをマウスに導入する予定であったが、免疫不全マウスの実験進行に難渋している。そのため、免疫不全マウスの実験進行に遅れが出ているため、当初予定していたマウス購入についての未使用額が生じた。
免疫不全マウスの実験を行うために予定していたマウスの購入に、未使用額を使用する予定である。また、採取した低悪性度神経膠腫のDNAを用いた次世代シークエンサー解析に用いるためのコストにも使用する。
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