研究課題
脳動脈瘤コイル塞栓術は、病変部から離れた部位から直径約1mm、長さ150cmのマイクロカテーテルの中を通してコイルを挿入する手技である。安全に治療を行うためにはコイルデリバリーワイヤーを操作する微細な指先の力の調節が必要である。その微細な力を測定するために高精度のセンサーを作成した。本研究では、脳血管内治療用ワイヤー(コイルデリバリーワイヤー)挿入力測定装置を開発しその臨床応用を行うことが目的であった。平成28年度は、平成26-27年度に実施した脳血管内治療用ワイヤー挿入力測定装置の臨床応用(未破裂動脈瘤コイル塞栓術10件)の結果について有効性及び安全性の面をメインに分析、検討した。臨床研究の結果を踏まえ、センサーシステムの改良に着手した。光学的センサーシステムの改良及びデータ呈示システムの改良を行った。臨床応用で得られた挿入力測定データを基に、脳動脈瘤コイル塞栓術シミュレーションシステムの開発に着手したが、現在開発途中である。研究成果について国内外の学会にて発表を行った。(主な発表 13th Congress of World Federation of Interventional and Therapeutic Neuroradiology.2015年11月.Gold Coast, Australia.)研究期間を通じた成果としては、脳血管内治療用ワイヤー(コイルデリバリーワイヤー)挿入力測定装置の開発・改良と臨床応用を行い、有効性及び安全性が確認された。現在においても、国内外を通じてコイル挿入力について客観的に評価できるシステムの開発について本装置以外にこれまで類似した研究報告はない。さらに臨床応用を行ったことは非常に先進的で独創性が高い内容であったと考えられる。
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