glioma stem cell lineを用いてmouse脳腫瘍モデルを作成し、十分な腫瘍形成を確認した。mouse脳腫瘍モデルに5-ALAを投与後、4時間後にsacrificeし、脳を摘出した。即座に凍結し、100μmの厚さで切片を作成、その後蛍光顕微鏡にて赤色蛍光発色の確認を行った。蛍光顕微鏡より励起光を照射し、赤色蛍光を確認したが、後にHE染色にて確認した腫瘍の一部分のみしか赤色蛍光を発していなかった。脳腫瘍幹細胞モデルを用いたxenograftではin vitroではよく蛍光発色したものの、in vivoでは蛍光発色は限局的であった。本研究で用いた5-ALAは、ミトコンドリア内でPpIXとなり、経時的に蛍光を失うため、ホルマリンや凍結で固定された状態での蛍光確認はできず、生切片での傾向確認が必要なため、この作業が困難であった。Photodynamic diagnosis (PDD)がうまくいかなかったため、さらに予定していた、Laserを照射し、蛍光発色した腫瘍のみを傷害するPhotodynaminc therapy (PDT)への応用は難しかった。vitroとvivoの解離のみならず、本研究ではパラフィン切片ではなく、生細胞を用いる必要があり、これを薄くスライスし、PDD、さらにPDTまで行うのは技術的に困難であった。以前の研究で用いられた古典的cell lineより作成された脳腫瘍モデルは、充実性のため、蛍光確認が容易であるが、本研究のようにglioma stem cell lineを用いると浸潤性の腫瘍となり、in vivoにて細胞レベルで蛍光確認を行うのは困難な可能性がある。今後は固定した状態でPpIXが確認できる技術を模索し、検討する必要があると考えた。
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