研究概要 |
1)C57BL6マウスに対し、TrkBインヒビターであるK252a 1μM (5μl) および対照(DMSO,5μl) 脳室内投与を行い、30分後にカイニン酸(KA) 30mg/kg 腹腔内投与後のてんかん発作をRacine seizure scale(1~6)を用いて評価した。K252a投与群ではDMSO投与群に比べ、有意にけいれん発作の重症度が低下した(K252a 1.6,DMSO 5.0;p=0.04)。2)C57BL6,N-Shc+/+,N-Shc-/-マウスに対し、KA腹腔内投与(30mg/㎏)後のけいれん発作も同様に評価した。N-Shc-/-マウスではN-Shc+/+,C57BL6マウスに比べ、有意にけいれん発作の重症度が低下した(C57BL6 5.21, N-Shc+/+ 5.50, N-Shc-/- 3.27; p<0.001)。発作継続時間もN-Shc-/-マウスで有意に短縮した(C57BL6 167min, N-Shc+/+ 172min, N-Shc-/- 95min; p<0.01)。KA投与後の死亡率もN-Shc-/-マウスで低かった(C57BL6 45.8%, N-Shc+/+ 61.8%, N-Shc-/- 18.2%)。3)C57BL6,N-Shc+/+,N-Shc-/-マウスに対し、KA腹腔内投与から1,7日目に灌流固定後、脳冠状断切片のNissl染色を行い、海馬CA3領域の神経細胞死を評価した。N-Shc-/-マウスでは、1,7日目ともにN-Shc+/+,C57BL6マウスに比べ、有意に神経細胞死が減少した(C57BL/6 day1 23.3%, day7 19.7% ; N-Shc +/+ day1 23.9%, day 7 14.5% ;N-Shc -/- day1 42.4%, day7 37.7%;p<0.001)
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